江東区の音楽教室ドリームミュージックは、1994年 代表 井上幸子のリトミック教室として開校しました。『専門分野のエキスパート講師を親しみやすいお月謝で』をモットーとして、リトミック、ピアノやバイオリンや様々な楽器のレッスンはもちろん、バレエや英語バレエ、知育、英会話等の指導をしています。江東区内5教室と文化センターにて1,000名以上の生徒さんが通われています。

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安田 理(やすだ おさむ)氏プロフィール

安田教育研究所 代表
 東京都出身。早稲田大学卒業後、(株)学習研究社入社。雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。教育情報編集部長を最後に同社を退社。
 2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルタントなど幅広く活躍中。「あなたの子供を信じなさい」という独自の教育評論を貫く。
 様々な学校の教育アドバイザーをしているが、過保護・過干渉にならないように「親は子供が巣立つように導くべき」と主張。
 毎月15本の締め切りをこなしながら、新聞・雑誌等で活躍中。
 
 江東区東砂のドリームミュージックお教室で、1歳半からリトミックを学ぶお子さまとおかあさまのレッスンをご見学いただき、 2008.10.27(月)、ロングインタビューを行いました。

以下:Y 安田理氏  I 井上幸子
I こんにちわ。安田さんのプロフィールを拝見していてお会いするまでは、いかめしい予備校の先生という感じがしていましたが、お会いしてみると、ソフトでお優しい感じですね。

Y いえいえ、私は厳格すぎて自分の子供たちの教育に失敗した父親だったんです。今日は井上先生のリトミックレッスンを拝見していて、子供たちもおかあさんたちも、神経質すぎず伸びやかで楽しくやっているのがとても印象的でした。
 受験でもおんなじなんですよ、おかあさんたちが一生懸命になりすぎるとかえって、うまくいかないんです。

 

音楽は体験して感じる喜びから始まる♪

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I そうですか。 私は音楽って芸術教育のなかで、もっとも直感的に心に働きかけてくるものだと思っています。絵や本もすばらしいと思いますが 大人でも楽しい音楽が聞こえたら嬉しくなりますし、音楽を体験するのは大事だなと思っています。

Y 私は二人の子供にピアノを習わせていたんですけれど、今は家族の誰一人としてピアノを弾かなくなりました。子供がピアノを練習しないと遠くから消しゴムを投げていたような(笑)最悪の父親で、今はすごく反省しているんです。

I 今のお母さんたちにも「何歳になったらピアノが習えますか?」「知育の早期教育を!」と、おっしゃる親御さんたちが少なくないです。でも、ジャンプができないのに、なわとびはできません。文字が読めないのに、算数はできません、ということと同じで、心のなかから躍動するような喜びを感じてもらいたい、だからまず1歳半からのリトミックレッスンをおススメしているんです。

Y なんでも強引に親がやらせるというのは、よくないですね。今日のリトミックレッスンを拝見していても、おかあさんも子供も自然体でリズムを感じて身体が動いている感じでしたね。
 
リトミックで個性あふれる音楽表現力を豊かに♪
I ええ。リトミックを作った人は、スイスのダルクローズという作曲家ですが「音大生が歩くとあんなにリズミカルなのに、ピアノを弾くと機械的で感情表現が少ないは何故か?」ということに着目して、当時女性が肌を出すのはありえない!という19世紀に、「はだしになって動いてみよう!」と提案して、音大生の表現力が豊かになったんです。

Y 確かに。感じて身につくことって、意外と本物じゃないですか!知識と記憶というだけでは限界がありますしね。それに、リトミックレッスンを見ていて感心したのは、おかあさんたちが無理やり子供たちを同じ流れに乗せようとしていないことでした。

I そうですね。クラスにはクラスの個性というものがあって、どちらかというと最初はできなくても一緒に温かく見守っている、それでいて子供と一緒に楽しんじゃおう〜というクラスは、結果的には伸びてゆくと実感しています。

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早期教育より それぞれの子供の発達段階に応じた教育を
Y 私もよくわかります。学校生活を送る上で、エネルギーのある子こそ、伸びてゆきますね。だから中途半端に知識を教えるより、基礎体力を作るリトミックのようなことがとても大切だと思っています。
 小さいうち、神童といわれて、ものすごく難しい漢字まで覚える子供もいますが、そういう子が後々社会で活躍ようになるかというとそうでもない。子供はそれぞれ成長する時期が違うので、無理矢理、早期にやらせることが一番弊害になりますね。井上先生のリトミックレッスンは何歳から何歳までできるんですか?

I 私のスクールでは1歳半から小学1〜2年生までです。リトミックを遅く始めた子には、ひとつ下の年齢のクラスに入っていただくんですが、
そう御願いすると「全然かまいません〜」と、おっしゃるお母さんはおおらかでのびのびしているので、お子さんも伸びやかです。


井上幸子がリトミックをはじめたきっかけ
Y 井上先生がリトミックを始めた理由は?

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I 私はもともと音楽家でなく、商売人の家庭で、親がお肉屋さんの商いをしている姿を見て育ちながらも、幼稚園時代から「幼稚園の先生になりたい!」と夢見ていました。音大時代にはリトミックという言葉が流行っていたので、幼児教育としてリトミックを学ぶ専門学校にも通ったのですが、ピアノは使うけれども、決まりきったプランをやるという感じで、あまりピンと来ませんでした。

Y それでニューヨークに留学されたんですね。

I 音大を卒業してから、ちょっと本場のリトミックを見学してこようと いう気持ちだったんですが、 ダルクローズの愛弟子のシュースター先生との出逢いで、(リトミックの魅力に)引き込まれてしまって、画一的なプランでなく、子供の状況に応じてプログラムを変えてゆくんです。リトミックを学べば学ぶほど「子供に教えるというのは、深いことがわかっていないとできない」と感じ、4年もニューヨークで勉強してしまいました。

Y 深いことというと?

I 音楽はメロディ、ハーモニー、そして リズムから構成されるんです。そのリズムのなかにはビート、つまり拍(はく)があるんです。歩きながらも、アクセント フレーズ、そしてビートをより楽しく感じることを教えられれば、音楽の素晴らしさ、そして、音楽教育を通じて、人の心に良い教育、というものが形成されるんだな〜と、いうことです。

 

殺伐とした時代にこそ人生を彩る心の潤いが大切♪
Y 確かにそうですね。 今は残念ながら不況で社会に余裕がなくなり、統計的には音大や美大で学ぶという方が減っています。 そういう状況は残念です。確かに音楽の専門家になるには、好きなことをやりつづけたいという強い意志とエネルギーがないとうまく行かないし、費用もかかると思います。ですが、専門家にならなくても生活のなかに音楽や美術があるということは、生活のなかの潤いにつながります。
 英数国理社をひたすら勉強していても、時として人間として理不尽な事態に見舞われ救われないこともあります。ですが、そんなときに自分を支えてくれるものは、意外に趣味であったり、音楽や美術であったりするものです。 安田氏が考える「あなたの子供を信じる」教育とは?

I 安田さんが考える子育てとは?

Y 受験期の保護者たちに私が良くお話するのは、おけいこを辞めさせたり 修学旅行にも行かせないで、ひたすら受験勉強だけさせるというのは私から言わせると賢明な親とは言えないということなんです。
 受験の結果がどうであろうと、親が子供が進んだ学校を「いい学校なんだ!」と信じないと、子供は自信を持てなくなり、傷ついてしまうんです。子育てというのは、親が子供の前に道を用意することではなく、「子供自身がころびながら進むのを見守る」ことなんですよ。私だって 大学も会社も第一志望ではありませんでした。でも大切なのは「そこからの人生をどう生きていくか?」ということだと思います。
 今日、井上先生のリトミックレッスンをみていて本当に感じたことは、親のあるべき姿勢です。おかあさんと子供が他のおかあさんや子供たちと手をつないだり、リトミックレッスンを通じてスキンシップをしているでしょ。スキンシップを続けながらも、少しずつ子供の成長に応じて、子供を離してゆくという姿勢がとても大切だと思います。 I安田さん、今日はありがとうございました。

 

安田さんをお迎えして 井上幸子のモノローグ♪
 私が開発した知育教材に関しても、安田さんはきめ細かくご覧くださり推奨いただけたので・・・とっても光栄です。弊社のリトミック教材や知育教材は、いろいろな音楽教室・幼稚園・幼児教室で使っていただいていますが、私は安田さんのように子供たちの個性を信じてひとりひとりが自然に巣立ってゆけるお手伝いをしてゆきたいです。